日本が海のルアーに目覚めて20年以上が経ったと思います。当時は10kgに満たない魚に翻弄されリールやロッドを壊していたものです。しかし、90年代中頃に新素材ラインを使用したフィッシングスタイルは、魚のサイズとフィールドの拡大に劇的な転換期をもたらしました。今では50kgオーバーの魚がスピニングタックルでキャッチされるようになってきました。今の状況は先駆者達の熱意と想像力の賜であり、今日のSALT WATER専用タックルが世に送りだされる原動力となっています。
歴史の浅いこの世界ですがGAME FISHINGとしてのルールが整備され、自然や魚を尊ぶ精神が芽生え、SALT WATER GAME FISHINGが遊びの文化として定着し始めたと思います。しかし、日本の釣具メーカーを見渡せば、大手メーカー間の熾烈な開発競争やコストを圧縮し利益を優先した商品。流行を追求した刹那的な商品等が多く寂しさも感じられます。
海外に目を向ければ、釣りの楽しさを追求した小さなガレージメーカーが多く存在し、遊びの文化に懐の広さを感じます。
日本にも小さなガレージメーカーが在ってもいいのではないでしょうか?STUDIO Ocean Markは直訳すると「海印の工房」です。アングラーの「欲しい」をかたちに!この純粋な発想がSTUDIO Ocean Markの原点です。

最新のタックルやテクニックの情報は、もはや秒単位で伝わる時代です。新たなタックルは新たなテクニックを生み出し、このサイクルは加速度的にスピードアップしています。初めて遠征するビギナーでも適切なタックルを選択し最新のテクニックを入手すること可能です。しかし、ベテランアングラーが長い間の試行錯誤によって創り出したシステムを、意のままに操ることはなかなか難しいものです。以前は良き指導者がフィールドに必ずいました。ヒットしないのはルアーの問題じゃない!魚のいる場所へキャストしろと言われ、ファイト中にロッドを折ればリフティングの角度を注意されたものです。溢れる情報に踊らされ、基本的な知識や技術が不足したアングラーが多い現状を憂慮しています。遊びですから個々の楽しみ方があります、新たな提案を否定などしません。しかし、先鋭化・細分化を少し見直した提案も大事だと考えます。多くのアングラーが楽しくレベルアップできる、バランス感覚を持った商品を創り出したいと考えています。

Catch&Releaseは全てのアングラーが持つべき中心的思想ではないでしょうか?何が何でも全て放流せよ!などとストイックに考える必要はないのです。日本人は魚が大好きです、個々のアングラーが常識的で必要な量だけ持ち帰る事から始めましょう。また、自分で魚を料理してよく観察してみると、口の形状を見てフックは何処に掛かればよいのか?胃の内容物を見て何を食べていたのか?鰭や尾の形状からスピードの魚なのかトルクの魚なのか?色々なことが想像できます。魚を知ることも、アングラーの造詣を深めることになります。
漁業学の世界では最大収量維持 (maximum sustained yield)という考えがあります。SALT WATER GAME FISHINGを楽しむ私たちも、将来を見据え魚を減らさないためにCatchしてよいサイズと量は?生存可能な状態でReleaseするテクニックとタックルとは?今までとは次元の異なる試行錯誤を自然や魚から迫られていると思います。